俺の右手丈高指は、俺の指でなくなる。
そこだけが別の世界へトリップを始める。
それなのに、その指は、主のものであることを主張する。
旅立とうとするのは、私のせいではない。
主であるあなたが私を苦しめるから。
こんな寒さを、私が耐えられないこと知っているでしょうに。
そのことをあなたに忘れさせては、いけないでしょう。
主張は、痛み。
間違いなくあなたの指です。
どうです、痛いでしょう。
このまま、冷たさが続くと本当にあなたから遊離しますよ。
ここ数年その指を凍傷させてしまった。
初めての凍傷の
春になると横にへこんだラインが一本現れた。
秋には、ラインが爪の先端まで押上げられ終末する。
それを2年、2回繰り返した。
その3回目の今年は、縦のラインが誕生した。
中央のライン。
今朝の夜明け前
夏頃には、丈高指の爪に十の字が表れていた。
俺は、島津の末裔。
なぜにこんなに寒い土地で暮らしているのだ?
と、問うていた。
本当は、島津でもなんでもありません。
縦のラインは、いままでのように秋になると消滅するのか。
とも思ったが縦は、消えない。
そして寒さの中で痛みの発信を繰り返す。
歩くスキーは、運動量が高い。
スタートして15分もすると氷点下の中でさえ汗が滲む。
薄いあせを覚えると同時に中指の痛みも和らいでくる。
30分もするとトップウェアの首周りを
解放しなければいけないほどに身体が温まる。
但し、心拍数は、せいぜい120凸凹と言うところ。
競技をする程の速度で走行してはいない。
自分のスキーが、ツァー用であること。
そして、後ろに踵を跳ね上げられない。
右膝に痛みが出る。
身体全体運動の有酸素運動。
シーズンの始まりでもある今時分は、腕やわき腹、広背筋が痛む。
これが過ぎるとより走りを楽しめる。
日常の外出でもストック:ポールを使っている。
ところでストックの語源は?
Stock:シュトック、杖を意味する。
ドイツ語だった。
66歳で初めて識る。
スキーは、ノルウェー語の薄い板:スキーが語源。
英語では、Skingと書く。
ノルディックウォーキングをしたかったのではない。
安全確保が目的だったのだが、これがいい。
短足な俺の歩幅が長くなる。
歩幅が長くなると特にインナーマッスルが鍛えられるという。
上半身強化。
買い物は、リュックに入れ背負う。
少々重くてもストックの補助のお蔭で重さを半減できる。
ウォーキングポールは、近くのホームセンターでも販売している
5000~6000円が主流。
思ったより高価なのに驚く。
リサイクルショップでスキー用ストックを500円で購入した。
これで十分冬の安全歩行と楽しいウォーキングに役立っている。
只、ひとつだけ欠点がある。
ストックを突く毎にカッカッカッと音がする。
雪の質に依っては、サクッ、サクッ、サクッだったり。
ギユッ、ギユッ、ギユッだったり。
とにかく音がする。
前に歩いている人が不審に思い必ずと言っていいほどその音に振り向く。
追い立てているわけでないんです。
この歩きが気に入っているもんですから。
申し訳ありませんねぇ。
と思いつつ速足でそこを追い抜ける。
通り抜けられる道幅の所は、それでいい。
が、雪の歩道は、狭い。
そこを、どけ、とばかりの歩きかたは、気がひけるのだ。
開けたところで一気にかわす。
その為にストックの音を消して遅い人の後に続く。
リズムは一変に落ちてしまう。
内心イラッとしている自分もいる。
抑えられる心に鍛える、の瞬間でもある。
このおやじ、アゴハリ一族。世界に散らばり社会を斜めから見つめブツブツ文句を垂れ
世界の滅亡を防ぎつつ勝手気ままに生きている。
札幌市在住、顎が張っている、へそ曲がりで頑固。
物事を斜めから見る習性があり周囲に疎まれる。
趣味:ロードバイク/ クロス カントリースキー/ そして、コンサドーレ札幌のサポーター