時には、ありがとうございます、とも言う。
ずっと年下の人たちに
「はい、ありがとうございます」
年が上だろうが下であろうが教わるときは、
丁寧に当たることで滞りなく気持ちよく仕事が覚えていける。
それも一時期のことで、たかだか1週間くらいのことなら尚のこと。
仕事を円滑に覚えられないのは、自分が損をすることとなる。
60歳を超してそんな分別が無ければアホゥと呼ばれてしまう。
いつもの
森林総合研究所内
イヌリンゴの蕾
正面門を
背に西の山
手稲山も展望できる。
しかし、7年前の1回目は、非常に辛い2ケ月間。
アホウなジジーであった。
もうすぐ60歳となれば求職先が狭まるのは、当たり前のこと。
マンションの管理人を勧めてくれた人もいたが
入居者のご機嫌を伺えるほど人間が出来ていないのは自覚済み。
ならばと、道東の酪農業に求職してみたが鼻から年齢で相手にしてもらえない。
求人誌で倉庫の荷積みの仕事にありついた。
人間関係が希薄で済みそうだと思った。
しかし、これでは、生活できない。
なんでもいいからてっとり早く出来る仕事。
朝刊の配達に応募、決定。
バイクの免許があるので部数を多く配達できる。
終了して帰宅するのが6時くらい。
夜が明けてくる時間帯。
丁度今頃の時期だった。
その頃は、目線は下に向いていた。
背中は丸まっていた。
尾があれば尻の下に丸めていたことだろう。
負け犬そのものの体裁。
しかも、未配達があったりすると負け犬の上に
惨めが乗っかり心がささくれ立つ。
荷積みは、旭川から来て札幌に荷物を降ろした後、
旭川方面にトンボ帰りの4tロングトラック1台に荷物を積む。
白石の倉庫へ出勤。
その荷物は、パレットに10台近く積まれている。
それを荷崩れしないようにラッピングしておく。
ジャンボなサランラップで胴巻き。
トラックが入ったら手押しのリフトで積み込んでゆく。
当然慣れない作業でうまく操作できないことが多々起きる。
運転手は、伝票の受け渡しを終えたらすぐ出発したい。
しかし、出来ていない。
はっきりとは、言わないけれどイライラしたり自分が手を出す場面もあった。
人間とは、なんとも不自由な生き物である。
特に俺はそう。
もともとがへそ曲がりで悪根性。
それが、自身のくだらないプライドで尚さらに心のありようが良くない。
会社を閉めたショックも大きな引っかかりになってもいた。
今の俺なら、
「申し訳ありません」
「はい、ありがとうございます」が素直に言えただろうけれど。
あの時は、口先だけ。
あ~あ、悪ぅございました、な顔は、くそったれに見えていただろう。
午後からの2時間ほどで、朝刊とプラス荷積みで約10万円。
女房もパートの掛け持ちで何とか食べてはいける算段ができた。
あの頃は、女房も慣れない仕事で苦労していたんだよなぁ。
ところが、
先日も書いたが助け手を差し伸べてくれた福の神がいた。
俺の会社を手伝えとその人は、誘ってくれた。
俺の人生の初めての恩人と感謝している。
今、夕刊を独り立ちした。
休配、再開の連絡票を読み間違えたり。
未配達したりと失敗する。
当然自分に腹は立つ。
が、前回とは気持ちのありようがまるで違う。
楽しく仕事をしよう。
これは、俺の心情。
前回は、一生の心情であるにもかかわらず出来ずにいた。
今は、生まれたての雛の如く素直に挨拶ができ、
謝りを入れられる。
その一つが出来ることだけでも心が膨らむ。
幸せとは、本当に些細なことの裏表であることが判る。
このおやじ、アゴハリ一族。
世界の滅亡を防ぎつつ勝手気ままに生きている。札幌市在住、顎が張っている、へそ曲がりで頑固。
物事を斜めから見る習性があり周囲に疎まれる。
趣味:ロードバイク/ クロス カントリースキー/ そして、コンサドーレ札幌のサポーター
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