金槌を卒業したいとずっと思い続けていた。
男はへそ曲がり。
人が右と言えば真ん中だって、左だってあるんだぞ。
俺は、頑なに右に行かない。
という性格。
人にものを教わることのできない男。
素直ではない。
あるとき、スキューバダイビングをした。
観光で沖縄旅行。
海の中を覗いてみたい。
その講習。
臍の曲がりと海中散歩の天秤掛けは、海中に軍配が上がる。
ここは、教えが絶対必要。
仕方なく教わる。
まずは、シュノーケリング。
管から少しずつ吸う。
肺が満タンに成ったら一気に排気する。
水面に顔を付けたまま浮揚する。
自然に体が浮いている。
このとき男は、自分の浮力を実感した。
俺は、浮いていられる。
決して金槌ではない、木槌なのだ。
木槌なら後は、息継ぎが出来れば延々と浮いていられる。
男は、プールへ行く。
水の中で体を伸ばし浮いてみる。
両の手で水を押し下げ顔を上げ息を継ぐ。
いつまでも水の上で遊んでいられる。
シュノーケルが無くても。
男は、泳げると思った。
後は、手足の動かし方と息継ぎの仕方を覚えればいい。
男は、プールの2階から綺麗に泳ぐ人を観察した。
一番簡単そうな平泳ぎから。
いままでの男の泳ぎは、似ているだけで手足のタイミングがまったく違うことが判る。
息継ぎは、水中から観察。
鼻からすこしづつ吐いている。
顔を上げた時プハァッと一気に吐き吸っている。
水中で二つの鼻穴から空気が放出される画は、なんとも可笑しい。
間が抜けている。
いや、息が抜けてているだけか。
平泳ぎを試す。
楽に進む。
楽に息継ぎできる。
どこまでも泳いでいられる。
男はクロール、バタフライ、背泳と一通りの泳ぎを覚えていった。
水着は、競泳用のビキニパンツ。
30年以上も昔の話。
泳げるようになっているので恥ずかしくない。
そのころのパンツは、生地が薄い。
中が透けたり、息子君の形が露わになる。
そこでインナーが必要になる。
塩素殺菌を使用しているプールでは、水着の痛みが速い。
その頃出来たばかりの平岸温水プールが俺の専用だった。
ここは、オゾン殺菌。
最初に通っていたのは、豊平公園温水プール。
そのころは、塩素殺菌。
今は、知らない。
1枚目のパンツは、数年で生地の痛みが出てきた。
持っていたのは2枚目。
生地は、痛みを知らずに30年が経過したことになる。
が、水泳用パンツに大きな変革が起きていた。
リタイヤした俺は、思い出しようにプールへも通った。
無論昔のビキニで。
泳ぐことになんの支障も覚えない。
自転車に乗るようになってからビキニでは腿の白黒が目立つ。
パンツの色も褪せて来た。
もう買い替えよう。
で、ゼビオに行ってみた。
競泳用とフィットネス用とある。
何をっ!
わざわざ競泳用としているのは、
公式
競泳用タグ
Fina:国際水泳連盟のラベルがヒップに張り付いている。
剥がすことはできない。
大会の時このタグをピット照合させて適正であることを確認するのだそう。
推察するに、一時サメ肌など素材競争が激化した。
男子がスーツ型を着用したこともあった。
行き過ぎた競争をさせず道具の優位性を均なら すのが狙い。
とは言えこの競泳用にも品質の違いが大きくある。
Mizunoより
このマークが付いたメンズパンツで
一般競泳用 6000円前後
トップスイマー用 1万円前後~2万円以上
女子用ではさらに1万円アップしてくる。
トップクラス用ともなると着用するときに充分な注意を必要とするそうだ。
簡単に着脱できないほど薄くて伸縮性が高い。
今回買いそろえた3点は、総額で6494円。
店頭だとパンツ1枚だけの値段。
消費者には、嬉しいけれど販売店にとっては頭の痛いところ。
流通革命どころか流通破壊となる。
いたるところでこれが起きている。
小さな店ならなおさらのこと生き残ることは難しい時代。
海パンひとつで世の中が大きく変化していることを識った66歳の浦島ジジィーでした。
海パンと言って女房に笑われる。
もう死語か?
インターネット検索してみるとまだ生きていたようだ。
見ていて楽しくなる。
このおやじ、アゴハリ一族。世界に散らばり社会を斜めから見つめブツブツ文句を垂れ
世界の滅亡を防ぎつつ勝手気ままに生きている。
札幌市在住、顎が張っている、へそ曲がりで頑固。
物事を斜めから見る習性があり周囲に疎まれる。
趣味:ロードバイク/ クロス カントリースキー/ そして、コンサドーレ札幌のサポーター
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