2017年9月5日火曜日

悪女との別れ

目覚めの前に夢を見ていた。
長年の難問が明晰な頭脳と仕上がった体力でいとも簡単にクリアしていた。

気持ちのいい目覚め。

空は、抜けている。

朝餉は、いくら丼ぶり。

女房の手作り。

猫額畑の青チソを散らす。

ご飯の湯気に乗ってチソの香が鼻腔を優しく撫でる。
脳髄に達した香は、最高潮にまで狂騒曲を盛り上げる。

始めから乗せておいてくれればいいものをわざわざスプーンですくえという。

ワッショイなんだと。
どこかのCMに毒されているらしい。

一昨日の日曜日は、風が強かった。

それ以上に全コーススタンディングの
超回復を終えようとする身体が重い。

次の日の月曜は、良い天気だと予報していた。
ならば月曜日に走ろうと考えていた。

これほどに素晴らしい朝を迎えられて

思いついたのは、手稲山ヒルクライム。






今朝も

イクラ丼




8時を過ぎて家を出る。

学校や会社へ向かう人たちが列をなしている。

憂鬱な朝だと口を曲げている人も中にはいるのだろう。

が、9月の晴天の下では余程の鬱陶しさも空に吸い上げられてしまう。

今日は、楽して上がろう。

か~るく登って自己新記録を作ろう。
それが出来そうな気がしていた。

向かう途中の街中は、前日のBBQの炭火残り香が漂っている地域があったり、
カメムシの匂いが立ち籠る地域があったり。

今年の冬は、雪が深い?

空気は、夜気の冷たさを残している。
夏の強さを残した太陽が背中を温める。


国道からフロントをINに切り替え。
チョイと登った手押しの信号がスタート地点。
補給食をほおばり水を飲む。

気負いなくスタート。
ダンシングでケイデンス60台をキープ。

夢は、記憶の整理をしている段階と言う。

故に夢占いは、当たる。
本来そこの部分は、占いではなく推理と言い換えた方がいい。
俺の見た夢は、江戸時代の和算を題材にした小説を読んでいたに過ぎない。

走り始める。
やっぱりきついべ。

なぁ~にが楽に上がろう!!

サイクルコンピューターは16Km~17Km/hを示している。
このペースで行けば間違いなく36分の壁が壊せる。
気を取りなおしまわす。

どんどん筋肉疲労が溜まる。
溜めずに登るかそれ以上の筋肉を作るか。

まだ溜めずに登る走りが出来ていない。
筋肉は、それ以上に出来ていない。

徐々にペースが落ちてくる。

橋の手前で20分を回った。
まだ自己新圏内。
第一駐車場で25分。
この辺で俺の信号が黄色に変わる。

ここを過ぎて大きくくねるつづら織り。
辛い。
心拍数は、この日最高の165bpmを表示している。
俺の最大は、170bpm。
余力がない。

駄目だな。
速度は、11km/hまで落ちて居る。

悪女と言う言葉が浮かぶ。
手を替え品を代え堕してやろうとする。
あと少し、と思わせていつの間にか腕の外に身を置かれている。

手稲山を堕すことは、出来ない。
もうこいつとは別れよう。

スタンディングを止めた。
リアを9枚目まで落とす。
シッティングで80rpm後のケイデンス。
心拍は、楽。
鼻歌でも出てくるか?
その位に楽。

スピードは、13~16Km/h出ている。

なんだ馬鹿野郎!!

始めからこれでよかったんじぁないか。

結局36分15秒でフィニッシュ。

腹立つなぁ。
もう一回来いってこと。

さっき決心したんだぞ。
こいつと別れるって。

また来いってか。

近々くるからな、言い終えていた67歳でありました。




このおやじ、アゴハリ一族。
世界に散らばり社会を斜めから見つめブツブツ文句を垂れ
世界の滅亡を防ぎつつ勝手気ままに生きている。
札幌市在住、顎が張っている、へそ曲がりで頑固。
物事を斜めから見る習性があり周囲に疎まれる。
趣味:ロードバイク/ クロス カントリースキー/ そして、コンサドーレ札幌のサポーター

広告