2016年1月29日金曜日

つ付き歳

昨日は、女房の休みの日。
朝から浮き足立ちの65歳は、
数日前に 今シーズンは、まだおでんしてないね。
を思い出し午前中買い出しに出かける。

おでんの種を揃えて純米酒を買う。

今シーズは、薩摩の芋焼酎が定番なのだが、
おでんならば日本酒が飲みたい。
吟醸酒などと気取った酒は、好みではない。
日本酒は、冷か燗で飲む。

いい酒は、冷。
冷は、室温のまま。

燗は、熱々ちんちんが好み。
安手の純米酒がいい。

日本酒独特の酸味が温められてさらに個性が強くなる。



これらを詰めて一杯に膨らんだリックを背に油壺の坂を上り下りする。

スーパーまでに小さい谷があり、
そこで質は落ちるが石油が出ていたので油壺と呼ばれていた。
今は、陸橋が渡っている。
冬は、雪のため陸橋の歩道が狭いことが多い。
遅い歩行の人に行く手がふさがれたり、
すれ違う難儀さもあって一度下を歩いてみた。
すると、なぜか気分がよい。

肩にくい込むリックの重さが腰から膝そして足の裏全体に広がる。
スキー用のポールを交互に雪面に当てて
1本づつ力を込めて歩き登る。

昨日の背中は、10Kgをオーバーしない程度だが重い。
油壺を登り上がると左にホーマック。
もう少し歩いて小学校。

昨日は、1年生と思しきひと組がスキーを持ち行列していた。
あの小さな体にスキーバックは重い。

大体が胸に両手でたんがえている。
たんがえる は、北海道弁で抱える。

どの顔も重さに辟易へきえき した顔。

一人、背中に斜めで背負っている男の子がいた。
30名ほどの子供たちの中で一番大きく引き締まった逞しい体躯。
この子だけは、平静な表情。
大人になったとき他者から頼られる男に育つと思った。

その理由は、意地の悪さを感じなかったからなのだけれど。

大体同年代で力の強いものは、周りを睥睨へいげい する。
自然と顔にその表情が張り付いてくる。

この子にはそれがなかった。

そして最後尾に男の子がいた。
列から少し遅れている。

いかにも重そうにスキーを抱えている。
すれ違いに ご苦労様の 声をかける。

彼は、それまでの辛そうな顔を引き締めた。
鼻腔を固くして少しの覚悟を決めた顔。

最後尾だと思ったら塀の影からもう一人、男の子が出てきた。

こちらは、完全に放棄した格好。
スキーバックの片方を引きずっている。
しかも、 お・も・い と泣き言を漏らしている。

この子にも ご苦労様 と掛けてみた。

はっとした表情で俺を見上げる。
児童に少し暖かい表情が浮かぶ。

こちらもにっこりの顔を返す。

4~5m歩いて振り返ってみる。
最最後尾の彼も、
振り向きながら歩いていた。

あのじいさんどこの人だっけなぁ?
僕を知っている人かなぁ?
誰かが僕を見ていてくれるんだなぁ。
がんばってやろうかな。

無遠慮に人の顔を見つめられる年齢っていつ頃までだろう?
ふと思う。

女房に聞くと、小学校の低学年までだろうか?
俺もそんな気がする。

九つ 位が幼児のお仕舞い。
つ が取れると大人の準備に差し掛かる。

つの付く歳までに躾なさい、は昔からの教え。



太陽が西へ大きく傾き
陽の当たらない
東の壁との陰影の差が
強くなってくる。




甘利大臣66歳は、明という名であることを今知るが、
つの付く歳までの躾ができてなかったんだべか?
その明ちゃんに担がれて二度目の総理に就いた神輿の晋ちゃん61歳も
やはり躾が足りてなかったんだべな。




このおやじ、アゴハリ一族。
世界に散らばり社会を斜めから見つめブツブツ文句を垂れ
世界の滅亡を防ぎつつ勝手気ままに生きている。札幌市在住、顎が張っている、へそ曲がりで頑固。

物事を斜めから見る習性があり周囲に疎まれる。
趣味:ロードバイク/ クロス カントリースキー/ そして、コンサドーレ札幌のサポーター

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