短足だが胴は長い俺。
そんな俺が、居る。
俺が居るからには、親がいる。
2日間ブログを休む。
2日目に金太から連絡が入る。
おやじのブログ、何かあったかい?
うれしい。
単純にうれしい。
それは、母を告別している最中の事。
マナーモードにしていた携帯がメールの入っていることを知らせていた。
火葬場へのバスの中でメールを開き返信する。
忌引き、詳しくはまた。
母との詳しい話は、控える。
89歳を迎える今年新年に入院させた。
独居老人でもあった。
それから10ケ月で人生の幕を閉じた。
死亡原因は、心肺不全となっている。
医者にはいわゆる老衰が深く進んだ状態であると
事前に告知されていた。
年を越すことが出来ないかもしれないとは言われた。
それが10日程前の事。
6日の早朝ブログをアップしてさて、朝刊でも開こうか。
のタイミング。
病院から電話連絡が入る。
遺体搬送の電話依頼を終わらせ、室蘭の病院へ向かう。
遺体とともに葬儀場へ移動。
葬儀のあれこれを会場の係と打ち合わせる。 それからが長い。
何もすることがない。
が、離れることも出来ない。
それでも時間を喰い翌日のこと。
湯灌に立ち会った。
納棺前に体を吹いて清めることを湯灌と言う。
それを専門に行う仕事人。
映画おくりびとでつとに名を広めた。
さて、困ったなぁ。
母親であろうと肌を見たくない。
体を拭くということは、肌を見せられるのだろうか。
見届けなければならない。
側に正座した。
心配は杞憂だった。
見事なもの。
拭く、白の装束を着せる。
最後まで肌の一片も見せることなく仕事を終えさせた。
映画を見たことはない。
が、この仕事振りに本木雅弘が関心したことがよく理解できる。
装束を着せ終えると、口周りにクリームを塗り始めた。
顔の艶を出すのだろうか?
シェービングクリームであった。
産毛を当り、ドライシャンプーで髪を洗う。
薄い化粧を施して一切を終了。
そして、俺たち夫婦も手伝って納棺。
納棺師と呼ぶこの職業は、仕事量を考えると時間効率が良い。
が、赤の他人の遺体を扱う。
しかも遺族が立ち会う中での作業は、精神的負担が大きいであろうことが想像される。
ゆったりとした所作ではある。
が、何度も汗を拭いていた。
結構な運動量である。
中腰で動くことから腰痛もあるのではなかろうか。
安らかな顔ばかりでもないだろう。
綺麗にやり切った彼の仕事に深い感謝と肝銘を覚える。
このおやじ、アゴハリ一族。
世に散らばり社会を斜めから見つめブツブツ文句を垂れ
世界の滅亡を防ぎつつ勝手気ままに生きている。
札幌市在住、顎が張っている、へそ曲がりで頑固。
斜めから見る習性は、周囲に疎まれる。趣味:ロードバイク/ クロス カントリースキー/ そして、コンサドーレ札幌のサポーター