2015年11月16日月曜日

スイッチの遅い日本人

日本人は、闘争心に欠けると言われる。
しかし、今回のラグビーW杯では、優勝候補の
南アフリカに逆転勝ちしている。
イギリスBBCが史上最大の番狂わせと表現するほどの偉業だった。
決して闘争心が薄いわけではない。
相手大型選手のアタックを真正面から受けていた。

ラグビーは、肉体をぶつけ合う。
体躯の優劣は、当然勝敗に直結する。
しかし、肉体の優劣を超えた戦略と精神力も大きな要素。
逃げはチーム全体の士気が落ちると語っていた選手もいた。

エディ・ジョーンズヘッドコーチは、
日本選手の体格で絶対的劣位を、優位に変えた。
小さいから、早く起き上がる事ができる。
そしてスタミナの持続。



旭山公園からみた
札幌ドーム
ラグビーW杯
2019年日本開催の
会場の一つ。



年間130日の合宿
4年間を徹底的にしごき倒したという。
当然練習場内外には、不満の嵐が吹き荒れた。
代表のトレーニング現場は、まるで鎮魂歌がBGMで流れているような暗さだったという。
所属チームからは、リーグ戦で戦力がダウンしてしまうというクレームの嵐。

ここは、想像なのだが
彼は、就任に当たり自分のコーチングに口を挟ませない契約を協会と交わしていたのかもしれない。

徐々にその力は、世界の強豪に伍して来る。
必然、代表チームの内も外もエディに全権移譲の空気が流れてくる。

去年の9月に日本記者クラブでの会見VTRがあった。
これを見ると彼は、二つの取り組みをしたと述べている。

A.攻撃型マインドセット
B.フィジカルセット
これをJapan Wayプロジェクトと名付け4年間で一気に花咲かせることに成功した。

A.攻撃型マインドセット
他の国では、できない長時間の激しく密度の濃いトレーニング。
世界で日本以外に真似のできる国はお隣の韓国・北朝鮮くらいではなかろうか。

従来のラグビー代表トレーニングの1.5倍量だったという。

過酷で激しく長いトレーニングを消化するために
選手自身がそのトレーニングを精神的にコントロールできなければならない。
言われるままのトレーニングでは、心も身体も壊れてしまうくらいのトレーニングということだろう。
そうしてはじめて試合の中で個々とチームのハンドリングができる。
攻撃型マインドは、こうして植えつけられた。

メンタルコーチをグループ毎に入れた。
五郎丸のゴールキックもメンタルコーチングにより精度を上げてきた。

B.ラグビーフィジカルセット
世界のプレイを数値化してこれに近づけ追い越す課題を持たせた。
小さいから負けるではなく小さいから出来ることもある。
個々の体重では、負けても早く起き上がり人数をかけられれば優位に立てる。

このブログを書くきっかけは、コンサドーレ札幌の41節のサヨナラ負け。
水戸に前半終了間際PKで1点先取している。
後半に入って同点、そして追い越し点を上げられた。

後半に入ったときJ3降格の可能性を抱えた水戸が
攻勢に転ずることは誰にでも分かっていること。
その通りに水戸の選手は、アタックを始めた。

札幌は、受けていると思った。
ある程度受けることをして天皇杯から中3日の水戸を疲労させる。
後半15分~20分まで凌ぎ追加点を狙う作戦と見えた。

ところが、デフェンスとオフェンスの意思に違いがあったようだ。
1点を守る気持ちとさらに追加点を狙う考えと。

これは、四方田監督の失敗だろう。
ハーフタイムに全員の意思を統一させなければいけない。

サッカーは、守ることに徹するとなかなかゴールを割る事が難しい。
前に一人だけ残す。都倉に疲れが見えたらナザリトに交代させる。
その後ろに小野を配し
後ろは、4+4もしくは。小野を加え4+5でラインを敷く。
疲れが見えてきた稲本は早めに深井に交代させる。
クサビ でやられていた三原には上原を入れて当てさせる。

いずれにしろ監督・選手ともにメンタルの失敗をした。

エディヘッドコーチの偉業の影に日本人の特性を把握した結果がある。
勤勉で真面目。
しかし、闘争心に欠ける。
負けるに決まっているとプレイ前から決め込んでしまう。
闘争心が薄いわけではないし欠けているわけでもない。
闘争心のスィッチ切り替えが遅い民族なのだ。

理解したのは、こんな経験からだという。
世界のチームは、試合前に体と心を休ませる:リカバリー。
日本チームに試合直前のリカバリーをとったとき十分な動きができなかった。
これを日本人特有の気質と見抜いたそうだ。
日本人は、追い込まないと闘争心が出てこない。
なるほどW杯9月19日の本番まえに完全オフしたのは、13日の1週間前になっている。

逆に言うと追い込まれた方が強い精神力を得られるということ。
水戸は、負けるとJ3落ちになるかもしれない。
逆に札幌は、前半の1点で指揮官も選手も気持ちが緩んだ結果と言える。


このおやじ、アゴハリ一族。
世界に散らばり社会を斜めから見つめブツブツ文句を垂れ
世界の滅亡を防ぎつつ勝手気ままに生きている。札幌市在住、顎が張っている、へそ曲がりで頑固。
物事を斜めから見る習性があり周囲に疎まれる。
趣味:ロードバイク/ クロス カントリースキー/ そして、コンサドーレ札幌のサポーター

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