サンダルをベンチで脱ぎ芝生の上を歩く。
そこにどんな意味があるのかは、知らない。
軽く、2~3分歩いてベンチでサンダルを履き直すと
控室へ戻ってゆく。
この男には、もう一つのルーティンがある。
全体ウォーミングアップが済むとリフティングを始める。
昨日の最後は、高速リフィティングで仕上げた。
体調の良さがそのプレイに表れている。
千葉は、コイントスに勝つと攻守を交換した。
完全室内競技場なので目的は、精神的な圧力。
相手にエリアを替えられると嫌な空気が漂う。
北海道コンサドーレ札幌VSジェフユナイテッド千葉の
J2第16節が開始される。
千葉の猛攻。
とにかく寄せが早い。
セカンドボールがことごとく千葉に持っていかれる。
細かなパス交換で札幌は、翻弄される。
が、要所を締めてゴールを防ぐ。
開始早々バイタルエリアで稲本が右足首を捻った様子。
大事には至らなかった。
もしかして古傷なのだろうか?
15分今度はコンサの左サイドで揉む合う。
稲本ここで倒れ込み担架出動で×マーク。
急遽上里投入の用意。
その間にバイタルエリアゴール正面の穴があいた。
ひとり少ない影響が出た。
16分千葉先制。
札幌は、開始早々からの相手仕掛けに自分たちのリズムを刻めない。
千葉の怒涛の攻めは、なおも続く。
20分クロスで綺麗にネットが揺らされた。
まるでJ1のチーム?
川崎フロンターレ?
こんなに強いの千葉は?
この試合勝てない?
札幌何とか反撃を試みるがゴールの匂いがない。
しかし、40分を間近にして千葉の脚が止まってきた。
と同時に札幌はリズムが出てくる。
相手が崩れないとみると後ろでボールを回しチョンチョンと縦に入れる。
喰いついてスペースを開けさせそこを突く。
マセードが右から深くドリブルで駆け上がりクロス。
DF不十分のクリアで内村がボールを支配。
二人のディフェンスを躱す。
自身もスラディング気味にGKの横へ流し込む。
試合前の切れきれのリフティングが結果に繋がる。
4試合連続ゴール。
1-2
千葉もまだ余力あり。
攻防は、一進一退で前半終了。
俺たちは、席を替える。
アウェイ側のゴール裏へ移る。
0-2は、何かが起きるスコア。
まして1-2まで追い上げてきた。
千葉は、違うチームに変身した。
普通変身は、良い変わり方になるが落ちた。
運動量が少ない。
前半で使い切った。
前半勝負、その為のエリアの交替であり猛攻だった。
後半は、札幌支配の試合。
カウンターに気を付けろ。
が、なかなかゴールまで行き付けない。
70分内村をヘイズに交替。
内村拍手の中をベンチへ帰る。
ヘイズは、明らかに様子が違う。
身体は、二廻り絞られている。
足が軽い。
ヘアスタイルも変えた。
戦う顔が張り付いている。
試合前のシュート練習でも群を抜いて成功率が高い。
中央で受けたボールを2タッチで一旦左の都倉に預ける。
都倉ドリブルで時間を作る。
ヘイズ回り込んでDFの裏に消える。
消えたタイミングでゴール前に都倉のクロス。
この前DFは、後ろのヘイズを見た。
都倉のクロスを終えていない。
ヘイズ一瞬にDFの裏を抜きボールに合わせてゴール。
喜んだね~。
千葉の関係者以外の11937人の入場者が、
ウッ、ワァ~~~~。
どかん、どかんと大騒ぎ。
俺も見知らぬ隣の親父とハイタッチ。
86分上原投入で逆転を狙った。
逆転までのドラマは、用意いていなかったようでこのままドロー。
しかし、大満足のゲームに仕上げてくれた。
前半を2点で踏みとどまった結果だ。
あそこでもう1点いかれて居たら。
しかも、DF、ボランチの3人が入れ替わっているメンバーで。
更に稲本が早々に離脱した中で。
ドームから帰り、登り坂の軽いこと軽いこと。
ピューッと帰ってビールで乾杯~。
眠っていたモンスターが目を覚ました。
FWの前3人が揃い踏んだ。
ジュリーもいい。
勝ち点目標80点まであと47点。
17試合勝利でおつりがくる。
残り試合数27試合。
期待は、膨らみっぱなし。
このおやじ、アゴハリ一族。
世界の滅亡を防ぎつつ勝手気ままに生きている。札幌市在住、顎が張っている、へそ曲がりで頑固。
物事を斜めから見る習性があり周囲に疎まれる。
趣味:ロードバイク/ クロス カントリースキー/ そして、コンサドーレ札幌のサポーター