2016年6月5日日曜日

目覚めたモンスター

その男は、試合前の練習に先立ちピッチに表れる。
サンダルをベンチで脱ぎ芝生の上を歩く。

そこにどんな意味があるのかは、知らない。
軽く、2~3分歩いてベンチでサンダルを履き直すと
控室へ戻ってゆく。

この男には、もう一つのルーティンがある。
全体ウォーミングアップが済むとリフティングを始める。
昨日の最後は、高速リフィティングで仕上げた。
体調の良さがそのプレイに表れている。

千葉は、コイントスに勝つと攻守を交換した。
完全室内競技場なので目的は、精神的な圧力。

相手にエリアを替えられると嫌な空気が漂う。



北海道コンサドーレ札幌VSジェフユナイテッド千葉の
J2第16節が開始される。


千葉の猛攻。
とにかく寄せが早い。
セカンドボールがことごとく千葉に持っていかれる。
細かなパス交換で札幌は、翻弄される。

が、要所を締めてゴールを防ぐ。

開始早々バイタルエリアで稲本が右足首を捻った様子。
大事には至らなかった。
もしかして古傷なのだろうか?

15分今度はコンサの左サイドで揉む合う。
稲本ここで倒れ込み担架出動で×マーク。

急遽上里投入の用意。

その間にバイタルエリアゴール正面の穴があいた。
ひとり少ない影響が出た。
16分千葉先制。

札幌は、開始早々からの相手仕掛けに自分たちのリズムを刻めない。

千葉の怒涛の攻めは、なおも続く。

20分クロスで綺麗にネットが揺らされた。

まるでJ1のチーム?
川崎フロンターレ?

こんなに強いの千葉は?
この試合勝てない?

札幌何とか反撃を試みるがゴールの匂いがない。

しかし、40分を間近にして千葉の脚が止まってきた。
と同時に札幌はリズムが出てくる。

相手が崩れないとみると後ろでボールを回しチョンチョンと縦に入れる。
喰いついてスペースを開けさせそこを突く。

マセードが右から深くドリブルで駆け上がりクロス。
DF不十分のクリアで内村がボールを支配。
二人のディフェンスを躱す。
自身もスラディング気味にGKの横へ流し込む。

試合前の切れきれのリフティングが結果に繋がる。
4試合連続ゴール。

1-2

千葉もまだ余力あり。

攻防は、一進一退で前半終了。

俺たちは、席を替える。

アウェイ側のゴール裏へ移る。
0-2は、何かが起きるスコア。
まして1-2まで追い上げてきた。

千葉は、違うチームに変身した。
普通変身は、良い変わり方になるが落ちた。
運動量が少ない。

前半で使い切った。
前半勝負、その為のエリアの交替であり猛攻だった。

後半は、札幌支配の試合。
カウンターに気を付けろ。

が、なかなかゴールまで行き付けない。
70分内村をヘイズに交替。

内村拍手の中をベンチへ帰る。

ヘイズは、明らかに様子が違う。

身体は、二廻り絞られている。
足が軽い。

ヘアスタイルも変えた。
戦う顔が張り付いている。
試合前のシュート練習でも群を抜いて成功率が高い。

中央で受けたボールを2タッチで一旦左の都倉に預ける。
都倉ドリブルで時間を作る。
ヘイズ回り込んでDFの裏に消える。

消えたタイミングでゴール前に都倉のクロス。
この前DFは、後ろのヘイズを見た。
都倉のクロスを終えていない。

ヘイズ一瞬にDFの裏を抜きボールに合わせてゴール。

喜んだね~。
千葉の関係者以外の11937人の入場者が、

ウッ、ワァ~~~~。

どかん、どかんと大騒ぎ。

俺も見知らぬ隣の親父とハイタッチ。

86分上原投入で逆転を狙った。
逆転までのドラマは、用意いていなかったようでこのままドロー。

しかし、大満足のゲームに仕上げてくれた。

前半を2点で踏みとどまった結果だ。
あそこでもう1点いかれて居たら。

しかも、DF、ボランチの3人が入れ替わっているメンバーで。
更に稲本が早々に離脱した中で。

ドームから帰り、登り坂の軽いこと軽いこと。
ピューッと帰ってビールで乾杯~。

眠っていたモンスターが目を覚ました。
FWの前3人が揃い踏んだ。
ジュリーもいい。

勝ち点目標80点まであと47点。
17試合勝利でおつりがくる。

残り試合数27試合。
期待は、膨らみっぱなし。



このおやじ、アゴハリ一族。
世界に散らばり社会を斜めから見つめブツブツ文句を垂れ
世界の滅亡を防ぎつつ勝手気ままに生きている。札幌市在住、顎が張っている、へそ曲がりで頑固。
物事を斜めから見る習性があり周囲に疎まれる。
趣味:ロードバイク/ クロス カントリースキー/ そして、コンサドーレ札幌のサポーター

広告