おかあたんも、おとうたんも、バーバ、ジージ、
ももたんのことを「ももたん」とよびます。
もう三月だというのにももたんは、家に三日間も閉じ込められています。
雪が降り、強い風が吹いているからです。
ももたんは、ジ-ジに聞いてみました。
どうちたらお陽たまは、出てきてくれるの?
ジージは、言いました。
ん~ん、お陽様に直訴だな。
直訴ってな~に?
直接お願いすることだよ。
どうすればお陽たまに会えるの?
寝る前に枕に呪文をかけると会えるぞ。
どんなずもんでつか~?
ももたんをお陽さまに会わせてください
と三回唱えることだな。
となえる は、なんでつか?
心の中でたくさん、たくさんお陽さまに会いたいです。
と思いながら枕に伝えるといいよ。
枕にずもん、枕にずもん
忘れないように心の中で言い続けます。
ご飯を食べる時も、テレビを見ている時も
枕にずもん、枕にずもん。
おかあたん、ももたんは、ねむねむするまつ~。
いつもより早くお布団に入りました。
いつもは、大好きな絵本をおねだりするのですが、
ひつじさんのごほんは、いるません。
どうしたの、熱でもあるの?
おかあたんが、ももたんの額に手をのせました
熱は、ないようね。
はい~。
ももたんは、早くねむねむしたいのでつ~。
お母さんが出てゆくと布団に正座して
枕に呪文を唱えました。
ももたんをお陽さまに逢わせてくだたい。
ももたんをお陽さまに逢わせてくだたい。
ももたんをお陽さまに逢わせてくだたい。
ぽんぽん、と軽く二つ叩いてももたんは、眠りにつきました。
お陽たまは、来てきれるかなぁ~。
心配でドキドキします。
でもいつのまにか寝てしまいました。
ももたんは、眩しくて目を覚ましました。
ジージが、眩しくなったらこれを着けなさい。
と渡してくれたジージのサングラスをかけました。
どうしたんだいももたん。
ほう、ほう、ほえ~っ!
本当にお陽たまがきてくれたでつ、
びゅっくりりんでつ~。
ありがとうごだいまつ~。
お陽たまにお願いがありまつ。
どんなお願いかな?
ええと、明日ももたん達の女の子のお祭りがありまつ。
お友達も呼んでおいわい、わいわいをしまつ。
お天気が悪いとお友達が
ももたんのおうちに来ることができまてん。
ももたんの大好きなソリ遊びもできまてん。
もっと、もっとお天気にしてくだたい。
おおう、そうかいそれは申し訳ない。
だがな、私が姿を隠してしまうのは雲のせいなのだ。
だから雲にお願いしてくれないか。
ももたんに会うように今から雲に伝えるから待っていておくれ。
そうか、雲さんがお陽たまを隠しているもんね。
まもなく雲がやってきました。
どうしたんだいももたん。
雲たんにお願いがありまつ。
どんなお願いかな?
ええと、お陽たまを隠さないでほしいでつ。
それはどうしてかな?
ええと、明日ももたん達の女の子のお祭りがありまつ。
お友達も呼んでおいわい、わいわいをしまつ。
お天気が悪いとお友達が
ももたんのおうちに来ることができまてん。
ももたんの大好きなソリ遊びもできまてん。
もっと、もっとお天気にしてくだたい。
おおう、そうかいそれは申し訳ない。
だがな、太陽が姿を隠してしまうのは風のせいなのだ。
風が私を運んでくる。
だから風にお願いしてくれないか。
もたんに会うように今から風に伝えるから待っていておくれ。
そうか、風さんが雲たんを運んでくるんだ。
まもなく風がやってきました。
どうしたんだいももたん。
風たんにお願いがありまつ。
どんなお願いかな?
ええと、お陽たまを隠す雲たんを運んばないでほしいでつ。
それはどうしてかな?
ええと、明日ももたん達の女の子のお祭りがありまつ。
お友達も呼んでおいわい、わいわいをしまつ。
お天気が悪いとお友達が
ももたんのおうちに来ることができまてん。
ももたんの大好きなソリ遊びもできまてん。
もっと、もっとお天気にしてくだたい。
おおう、そうかいそれは申し訳ない。
だがな、私はももたんに意地悪で雲を運んでいりわけじぁない。
雲も、意地悪で太陽を隠すわけではないんだよ。
どうちて風たんは、吹くのでつか?
地球は、わかるかな?
はい~、おとおたんが地球儀をもってまつ。
ももたんは、ここに住んでいる とおしえてくれまちた。
うん、そうだな。
その地球の上の方に北極というところがある。
そこは、冬になると太陽の暖かい光が届かなくなる。
北極たんが寒くなりまつ。
そう寒く、寒く、寒~くなるんだ。
寒くなると冷たい空気がたくさんできる。
冷たい空気は、暖かい空気と仲の良いのお友達なのだ。
ももたんは、お友達と遊びまつ。
そうだね、冷たい空気と暖かい空気は風になって
お互いの場所へいったり来たりして仲良く遊ぶ。
君たち人間にとって都合の悪い強い風になることもある。
それは、誰にも止められない。
地球の運命なのだ。
ももたんがお願いちてもだめでつか?
ああ、しかたがないことなのだ。
もし冷たい空気が動けないと北極は、氷で閉じ込められてしまうよ。
白熊は、餌を捕れなくなる。
白熊たんお腹がぺったんこになりまつ。
アザラシは、氷の下から顔を出せなくなく。
するとアザラシは、息ができなくなるだろう。
アザラシたん死んじゃうでつ。
春になると北極まで太陽の光が届くようになるんだ。
冷たい空気が暖かくなる。
ももたんは、苺が好きかな?
ももたんは、苺が大好きでつ。
春になると苺が真っ赤においしくみのる
そして次に夏が来る。
秋が来て、また冬が来て。
そうやって地球の一年が回ってきた
これからもそうやって地球は回る。
春に苺がおいしくなって
夏に水遊びが楽しめる。
秋は、リンゴが食べられて、
冬にソリ遊びができる。
風に運ばれて雲が来なければ
雨は、降らないし
雪も積もらない。
もし人が地球を変えてしまったら
ももたんたちは、生きていけなくなるよ。
動物も草も木もみんな生きていけなくなるよ。
ももたんたち人間も動物も木も草も
我慢することも大切なことことなんだ。
ジージがワガママは、いけない、といいまちた。
なんでも出来ると思うといけない大人になる
といってまつ。
わかってくれたかい。
わかりまつた~。
風たんは、遊んでいたんでつ~。
雲たんは、雪や雨を降らせていたんでつ~。
苺は、水を吸って
お陽たまの光を頂いて真っ赤っかっかっかの
甘~い、まいになりまつ。
ももたんは、ワガママいけないでつ~。
ありがとう、ももたん。
力になることが出来なくてごめんね。
でも、いつも見守っているからね。
はい~。
風が帰って行きました。
ももたんは、目を覚まします。
カーテンの隙間から明るい光が射しています。
カーテンを開けるとお陽さまは、
少しだけ顔を出したところです。
ももたんは、
ジ-ジのサングラスを着けて
太陽を見ました。
ああ~っ、お陽たまがにっこりこりたん、にっこりたん。
ももたんは、ワガママないでつ~。
ありがとうたまでつ~、と太陽にご挨拶しました。
このおやじ、アゴハリ一族。
世界の滅亡を防ぎつつ勝手気ままに生きている。札幌市在住、顎が張っている、へそ曲がりで頑固。
物事を斜めから見る習性があり周囲に疎まれる。
趣味:ロードバイク/ クロス カントリースキー/ そして、コンサドーレ札幌のサポーター