2018年8月2日木曜日

自転車日本一周3日目 危険

下北半島を別名をまさかリ半島とも呼ぶそうな。
この半島を一周しようとするとむつ市に必ず2度訪れる必要あり。
俺のスタートが八戸市で下北半島を外周して
青森市に抜けようとするとここに舞い戻る。

林間地域が多く昔はほそぼそと漁業で食いつないできたのだろうか。
野菜や米に不敵な地域。
林間部の木材を産業にしようにも大消費地江戸からは遠隔にすぎて採算が取れない。

今は新設の原発も含めて関連の経済が地域を支えている。

本州最北端の町大間崎で一泊して次の目的地は青森市。
地図でルートを探る。
まずは海峡ラインと呼ばれる国道338号線をなぞって行けばよい。

わかったよう。

青森市までの距離は200Kmとなる。
荷物付きとはいえ10時間も走れば行き着くことができるべ。

俺は洋風のお菓子がちと苦手。
特にターゲットを子供向けにしていると甘い。
甘いに過ぎる。
そう俺の行動を一言で言うとそれ。

道路の情報を全く認知していないし事前の調べもなし。
海岸線の平坦なコースなんだべな。

出たなぁ〜思い込みお化け。

スタートして海へ向かう道路。
おっとここを左折のようだ。


あっちゃぁ〜!!。
強い風が正面から吹いている。

しかもその正面には幾重にも折り重なった山陰がある。
もしかして山間コース?

まだ10Kmも進んでいない大間西の小さな漁港。
風の抵抗を受けて一休み。
水を飲んでいると地元の女性。
大変だなぁ。
風強いねぇ。
ああ、初中さ。
山はいると収まるよ〜。

そうか、やっぱりそうだったのか。
しかしそこでは本当のゲキサカ地域であろうなどとはつゆも思わないでいる。
ほぼ40Kmが登っては下り。
下っては登る。
しかも長く急な坂の連続。

昨日の登坂高度は、1510m。

登りの速度は、ハエがとまる。
蚊に狙われる。
ブーンと聞こえたら一踏み増し。
道路の脇に自転車イラスト入りの注意書きあり。

多分初めての経験。
北海道一周で石狩から留萌をオロロンラインで走行。
あの道も長いアップダウンを数本越えた。
あれの何倍もある。
恐山に仏ヶ浦、激坂銀座とデンジャラス地帯下北半島。

精魂尽き果てボロ布68歳は、青森市まで行き着くは無理。
懸命な判断を下す。

そこまでに至る以前にもう少しなんとかしようよ。
落ち着いてやればできる子なんでしょ。
いんや、数奇なる星を持って生まれたこの男に
そのような落ち着きなど無用というもの。
そのような落ち着きをもってしまおうものなら、俺が消えてしまう。

完全な馬、鹿。



ここいらが本当に連続激坂のお終い当たりと思しき道の駅、脇野沢にたどり着いた。

一泊するにどうだ?
大概にキャンピングカーがいるはず。

いない。
一台もいない。
ここは、だめだな。
3時位のことだった。
自転車に引きかそうとした。

格好いい!!
ジュリー〜〜!!
自転車を止めた階段の下から黄色い女性の声。

どうも俺のプレートに反応しているようだ。
連れの男性にプレートを指差している。

そしてこちらをむく。
10段ほどの階段の上の俺。
すみれの花咲く頃〜。
左右の足を交差させながらゆるりと下る。

カップルは、日本一周だって。
68歳だって。
札幌からだって。

何日目ですか?
ついに俺への質問が寄せられた。
三日目です。

そんだけかい!!

カップルの男性は、ロードバイクをやっているのだそうな。
女性の家族にもいるらしくロードバイクの一人旅への憧れを持つという。
今買い求めてきたりんごジュースを差し出してくれる。
遠慮なくごちそうになる。

うまい、染み入る。
俺の血の半分は、りんごで作られている。
母親が青森生まれの人だった。

いま来た道の激坂の過酷さをひとくさりする。
北限の猿の横断があったことも。
荷物のまとめに苦労していることも。
青森についたら手頃な道具を調達予定であることも。

男性がベルト使いますか?
有り難し、いいんですか?

使ってないし使えるならと車の中から引っ張り出してくれた。
これが良い!!
太くて丈夫なベルト。
当ててみる、長さを調整する。
ぴったりです!!

うれしい。
ありがたく頂戴します。

東京から数日の車旅でたまたますれ違った俺への施し。
素直に頂いて車のお見送り。
ありがとうございました。

その後の走りの爽快さといったらあなた。
それは、素晴らしく変化して。

ふと道端の草を見ると追い風だし、若干の下りだし。
なによりうれしくてアドレナリンがどぼどぼ噴出しているようで。
しっかりと固定がされた荷物は、走りの邪魔をすることがなく
そこから25kmほど先のキャンプ場まで疾走したGGなのでありました。

川内という場所。
案内をみると13Km登ったところ。

もうひとつの案がむつまで行く。
25kmくらい。

もう激坂はなし。
荷物もおとなしく走りの邪魔をしない。
ここで90Kmくらい。

よっしゃ!
もう一漕ぎするべ。
二日前に宿泊したホテルに電話を入れる。
空いていますで安心して走り出す。




このおやじ、アゴハリ一族
世に散らばり社会を斜めから見つめブツブツ文句を垂れ
世界の滅亡を防ぎつつ勝手気ままに生きている。
札幌市在住、顎が張っている、へそ曲がりで頑固。
斜めから見る習性は、周囲に疎まれる。
趣味:ロードバイク/ クロス カントリースキー/ そして、コンサドーレ札幌のサポーター

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