2019年9月18日水曜日

不随意

入院していた病院は、正面を東に位置取っている。
その正面に立つと院は、左右に広がっている。
1階2階が手前に張り出し3階からが塔になる。
その高さは、7階まである。
4階から上が入院棟になる。
中央帯が看護師詰所があり左右に必要設備帯がある。
病室は、東と西にそれぞれが伸びる。

8月26日初診で即入院を言い渡された。
5階の東向きで4人部屋。
各部屋に洗面所、トイレ付。
6時起床、21時消灯。

入院当初は、普通に声を出すことができない。
弱く浅い声。
骨折した肋骨が声を発する毎に破裂音がする。
音は、外に漏れるほどでない。
が、神経が振動を捉える。
それに伴い痛む。

肋骨は、全12本の対で上から左右第一肋骨~第12肋骨となる。
特に痛みが強かったのが右第7肋骨。
声すら痛みがあったのだから咳、くしゃみなど以っての他。

入院患者識別リストバンド















その咳,くしゃみを防止するため常に喉を潤し続けた。
咳が出そうになる前に水を飲む。
その甲斐あって手術後の数日までそこを予防できていた。
少し危険だったのが誤嚥。
それも半分くらいのご飯粒1個と刻み葱の破片。
それぞれ別の日に小さな破片ながら気管の入り口に引っ掛かった。
えへんが出来ない。

通常なら自覚なしに自然に咳払いが起きて吹き飛ばしてくれる。
これも起きないように抑え込んだ。
しかし気管入り口に米粒は、引っかかったまま。
腹圧を極弱くしてしわぶく。
2回、3回しわぶく。
痛みが出ないように慎重に払ってみる。
ネコが毛玉を吐き出すような塩梅で何とか危険脱出。

鎖骨手術を終えて炎症防止の点滴針も抜けて肋骨の痛みも薄らいできた頃、
落とし穴は、大きく口を開けて待っていた。

あっ、まずい。
と思ったときは、もう遅い。
ヘックが襲い掛かる。
ションを少しでも弱く済まそうと腹に力を込めセヨンほどに抑えた。
が、痛んだ。
事故そのものを除き今回の怪我騒動の中で一番の痛み。
「痛っ!!」思わず声に出していた。

俺は思ったね。
咳とくしゃみどちらがエネルギーを使うか?

くしゃみの初速は、300km/h超えもあるそうな。
くしゃみ1回は、100m全力疾走にあたいするそうな。
1cm平方に200kgの圧力が掛ったことになるそうな。
圧倒的にクシャミのほうが衝撃が大きい。

ところでくしゃみはなぜ起こすのか。
くしゃみは、必要な時に自律神経が作用して起こす。
意思とは、関係なく不随意に起きる。

俺は、気管から異物を吹き飛ばすものがくしゃみと覚えていた。
が、今一つ機能があるのだそうな。
鼻腔内の体温が著しく下がった時に起こすのだそうな。
そうして体温を上げている。

5本の骨折の一番上にあたる右第3肋骨は、深呼吸に差し障った。
これは、退院する9月14日頃には、
薄い痛みになり深呼吸出来るまでに回復している。
骨折音が解消し深呼吸出来るまで回復してきたことで
左を下にして横向きで寝返りできるようになる。
上向きだけだった眠りの姿勢。
片側だけでも横向きが可能になったことで深い眠りを得られるようになる。

しかし、目覚めが早い。
年寄りは、睡眠時間が少ない。
俺は、走ることでたっぷりの睡眠を楽しんでいた。
怪我をしてからは、その回復にエネルギーが必要だったのか幾らでも寝ていられた。
回復が進むにつれて早く目が覚める。

来週頭から歩きで夕刊の配達復帰をすることに決めた。
受け持ちの全4区画の一つを配達しよう。


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