2019年9月17日火曜日

エコノミー症候群

今回の怪我騒動で全身麻酔とは?
調べてその触りだけでも理解できた。

ガスが出たのでもう大丈夫ですね、過去に見聞きしていた。
あれは、内科特有の話だと認識していたのだが然に非ずであることも初めて知る。
頭から足の爪先までの体内の神経、筋肉、内臓すべてが麻痺させられる。
腸も同じでその運動が通常に戻ったのを計るのがガスだったということ。
今は、ガスを待たずにお腹に聴診器を当てて蠕動運動を聞いていた。

診察行為は、医者の専属かと思いきや看護師も聴診器を使用している。

少し話が逸れる。
冒頭にその触りと書いた。
勿論この場合は、全身麻酔に対する認識の入り口という意味で使った。
が、間違い。
触りの語源は、浄瑠璃にあってその意味は、サビ。
つまりは、クライマックスということ。
まるでその意味が違う。

話を戻す。
全身麻酔から覚めてくる。


2019年9月17日日の出前















目を覚ました場所は、手術室から出た廊下らしい。
が、自分の中ではまだ半覚醒。
朦朧としていて覚えがない。

ベッドに寝かせられたままエレベーターに乗り入院棟廊下に移動した辺りで
「終わり?、終わったの?」と質問をしたころから記憶が残る。
「早いねぇ。」
「そうか、終ったのか。」
「俺ね、ウクレレを始めたの。」
俺は、こんなに饒舌か?
自身を訝りながら看護師に語り掛けていた。
全身麻酔の覚め方は、躁鬱千差万別であるらしい。

全身麻酔のリスクを事前説明された。
ちとナーバスな精神状態。
初めての切開。
かなりナーバス。

これだけは、したくなかった手術前の浣腸。
しないと聞いた時の安堵。
だからと言って麻酔や切開の恐怖が消えたわけでなし。
まな板の上の鯉を自分に言い聞かせ。
「怖いですか?」と看護師に問われてもそう応えていた。

なるようにしかならない、と開き直っていても
おっかなかったのだ。

そこを終えた喜びだったのだろうか?
それとも生来の能天気がなせるところか。
全身麻酔の覚醒にハイな気分を味わえたのは、ちと驚きの現象となる。

俺の場合全身麻酔にプラスして右肩に部分麻酔が施された。
右腕が棍棒状態のままになっている。
重いの重くないの。

「グーパーして散らしてください。」
そう言われてもグーパーすらできない。
各指の動きが鈍い。

特に親指から中指にかけてまるで動こうとしない。
左手で強制的に動かす。
少し戻りかけた。
そこで尿意。
トイレで用を足し再びベットの人になる。

指の動きが元の木阿弥。
完全に引き返していた。
戻りかけたその状態から復活に向かうと思っていた。
右腕は、麻酔薬が残り血流も悪いまま。
滞っていた麻酔が再び指に回ったということらしい。

その後指腹の乾燥する遺症が起きる
右親指~中指の三本が次から次にひび割れ少し厚めに皮が剥がれる。
血行障害で起きた指腹乾燥。
後遺症でもこの程度ならしょうがないかで済ませられる。

エコノミー症候群という言葉を聞くようになって久しい。
全身麻酔でも血栓が起きる。
その血栓が血管を塞ぐこともありうる。
「痺れは、ないですか?」
患部の冷却で氷替え時、検温の時、看護師に必ず質問される。
脳みそは、明晰ではない。
が、クリアなり。
手足にしびれなし。

そういえば血管が柔らかだと褒められる。
冗談じぁない、脳みそだって柔いぞ。

痛みあり。
「痛み止め出しますよ~。」
「いらない、我慢できないほどではないから。」
「なにより胃が荒れるのが嫌だから。」
この怪我騒動で一粒たりとも痛み止めを口にせずに終えた。
「飲むのが嫌なら座薬もありますからねぇ。」
「いらないっつうの。」

そのおかげで濃淡がなく味気ない病院食も美味しく頂戴した。
退院4日目、順調に回復の道を進んでいる。

財布と脳みその中身は、エコノミーながら楽しい毎日を送るジジィなのです。

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