伸ばした手の先が触れるところまで。
札幌~稚内のツアーに誘われたのがきっかけ。
330kmを一気に走り切ると言う。
北海道一周を16日で完走した後のこと、長距離にいささかの自信があった。
参加させてもらう。
当日が来てスタート。
スタート間際の札幌市内の事、トレインについて行けない。
早々にサポートカー回収の指示が出る。
本隊は、50Km~60km毎に休憩する。
そこを休まず、もしくは僅かな時間だけを休憩して先行する。
行けるところまでいかせていかせてもらう許しを得た。
先行しては、抜かれる。
次の休憩地点で追いつき先行する。
これを繰り返し何とか稚内にゴールした。
そのイベントは、師匠主催で「端っこツアー」と呼ぶ。
次の年からは、最初の休憩地点までトレインに同化する試みをしてきた。
金魚の糞作戦と名付ける。
ついて行く距離は、50km。
今年は、8月25日火曜日開催。
日本一周の時は、外れたので4度目のトライになる。
徐々に脚が上がっている。
去年は、新石狩大橋手前までの約19kmまで繋がっていた。
心拍の限界。
サイクルコンピューターのケイデンス表示は、136台を指していた。
橋で離されてしまう。
心拍数は鍛えられない。
リアギア変更。
足を鍛えることは無論の事なのだが機材も配慮してみた。
スプロケットを12/25Tから11/28Tに交換。
トップスピードをアップさせた。
これがあだになって鎖骨他全6本骨折事故につながる。
僅かに緩い下りの直線。
トップの伸びがいい。
気持ちが高揚して安全注意が散漫になる。
僅かな段差にタイヤをあてて吹っ飛ばされた。
自動車なら40Km以内は、歩行しているような速度感覚。
だがバイクにとっては高速運転となる。
走りが上がるにつれて危険も大きく増す。
そのことを身をもって理解した。
話を戻す。
今年は、これで行ける?
いやいけないだろう。
馬力が足りない。
尻尾でついて行くには,
もっと瞬発力が必要。
トレインの後方は、動きだしで差が出来る。
その差を埋める力が足りない。
そこで短くしていたクランク165mmを170mmに変更。
フロントギアも50/34Tから52/39Tにアップした。
5月の事だった。
トップギアが重い。
これを回せる筋力アップに努める。
25日当日を迎えた。
午前5時
陽が昇ろうとしている。
本隊7名。
留萌までの人1名。
10Kmの見送り1名。
そして50kmの金魚の糞1名。
その糞は、トレイン最後尾に付く。
国道275の入りまでの約10kmからトレインは、速度を増す。
いけそうだ。
南東の風3mに乗って合計9台のトレインが快調にうねる。
問題の新石狩大橋を渡る。
よし、自己最高追尾。
この橋を過ぎると僅かに下り。
ここで一段加速した。
徐々に千切れ始める。
追こうともがく。
速度は、36km/hをオーバーしている。
数回もがきついに差が開き始めた。
ここまでか。
しかし諦めない。
信号待ちで捉えられる可能性もある。
いつものように当別の直角交差点で信号待ちしていた。
待ってろよ。
合流寸前で信号が赤。
ここの信号は、変則なり。
歩道側は、青。
歩道を渡ってトレインを追う。
捕まえられそう。
再び信号待ち。
合流。
再スタート。
また千切れて始める。
ギアを上げる。
一杯に踏む。
踏む。
踏む。
トレインの後尾が目前に迫る。
ヨッシャー!!
これで巡行すれば付ける。
36km/h台のスピード。
えっ!!
またまた徐々に差が開き始めた。
千切れ始めると埋めることは至難。
結局第一休憩地点、月形町のコンビニに単独で進入となる。
本隊には、3歳年上が涼しい顔で巡行している。
小柄な女子もなにか?な感じで平気な顔。
口惜しいなぁ。
あと少し、
ほんの僅か。
AVは、29.98Km/h。
本体を見送り帰札。
落胆と休憩の冷えとで足が重い。
向かい風がさらにマシンを押さえつける。
♬ 叱られて~、叱られて~
頭の中でリフレインしている。
行きは、1時間30分。
帰りは、2時間30分。
Stop and Goの繰り返し10kmが含まれての平均速度約30km/h。
追い風とはいえどもほぼ単独走行。
目標のAV30km/hだった。
それなのに金魚の糞は、繋がらず。
年のことは、言いたくない。
がもう70歳。
もうあと1段上が狙えるか?
翌日考えた。
行く!!
足りない部分は明確。
地力。
この一年の目標は、AV30km/hだった。
これからの一年は、AV33km/h。
これはきついぞ~。