2023年10月10日火曜日

恐怖心

2019年8月に自転車で単独の大事故を起こした。
右鎖骨そしてその下の肋骨5本を骨折。
プラス右肺に微穴。

路面に叩きつけられてぐしゃっと潰れた。
トマトが地面に打ち付けられたように。
体の芯がなくなる。


したたかに頭も打った。
ヘルメットに穴が空いた。
その破損が頭を守ってくれた。



右後頭部にげんこつ大の穴













おぼろながらも意識は、周囲の安全を確かめろ!と警告する。
前後の車の往来を確かめた。
後方から来た車が、事故を察して停車。
ハザードランプを点灯して後ろの車をガードしてくれた。
二次被害の安全を保たれた。

立てるのか?

試みる。
使える左腕を支えにしてなんとか立てた。
体の力が抜けたままの立ち姿で茫然と周囲を眺めた。

道路の端へ移動。

左手で右手を上げてみる。
鎖骨にズレができた。
折れている。

ガードしてくれた車のドライバーが、街まで乗せてくれると言う。
が、まずは救急車を呼んで見る。
連絡が付き、丁寧にお礼を述べてドライブに戻ってもらう。

後から走ってきたチャリダー達も通行の整理をしてくれていた。
そして事故った自転車の保管を提案してくれる。
有り難し。

おっつけ到着した救急車がなんとか自転車も載せてくれた。




鎖骨にプレート手術。
退院してから自転車に戻った。
が、スピードに対する恐怖が残った。
特に下り坂がおっかない。
徐々に慣らして翌年1年がかりで克服した。

だが、もっと大きな怖いがあった。

あの場所がおっかない。
事故を起こしたその場所が怖かった。

道道16号線になる。
4年経ってその場所を単独で走った。
今年9月のこと。

支笏湖から千歳市への道。
苫小牧へ抜けるT字路を過ぎて緩い緩い下りの直線。
事故のときは、37Km前後のスピード。
その時、その場所は、舗装道路の補修工事が行われていた。
その日は、休工。
路面は、削ったままになっていた。
車道と路肩との境に1cmから2cm以内の段差があった。
雨上がりでその段差に水がたまっていた。

水が跳ね上がる嫌だった。
水のない路肩に上がろうとする。
前タイヤの側面が段差に飛ばされてしまう。
そして右肩から叩きつけられた。

その強烈な衝撃が、脳みそに記憶されていた。

何度か行こうと試みたが行けなかった。

だめだべ、その恐怖を払拭しておかないば。


晴れて風も弱い9月のサイクル日和。
出かける。

その場所が近づくと。
心拍数が急上昇し始めた
息も荒い。

ゆっくり走ろうか?
いや、解決して置かなければ。

今は、4年前よりさらに速くなっている自分。
速度は、40Km/hを超えている。
行けぇええええ・・・・


越えた。
越えると平常の精神状態が戻ってきた。

よほどのショックだったんだべな。

4年かかったか。
やっと事故後のケアが終了した今年でありました。

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