2020年3月20日金曜日

短編小説 ボンバーマン 其の一

友人代表のスピーチが始まった。
大学時代の同級生、中野がマイクに向かっていた。
「館林君は、ボンバーと呼ばれています。
大学時代に付いた呼び名で正確にはTNTボンバーです。」


僕は、ラガーマン。
一列目のFWで日本代表の背番号2番。
社会人チームに所属している。
フッカーと呼ばれる位置。
チーム最前線でプレイする。
身長は、190cm。
体重121kg。
28歳。
札幌生まれの札幌育ち。

父親の影響で幼稚園の頃からラグビーをやっていた。
体格が、常に同級生より二回り大きく常にボス扱いされていた。
自分自身は、そう望んだわけではない。
群れるのも好きではない。
好まないけれど自然に仲間が周りを囲んでいた。

父に強く言われ続けたことがある。
喧嘩は、売るな。
喧嘩で一番強いのは、ラガーマン
ラガーマンは、その強さを暴力に向けてはいけない。
こちらから喧嘩を売るような奴はラガーマンではない。
ラグビーは、肉体をぶつけ合いボールを奪い合う原始的なスポーツ。
だが紳士のスポーツでもある。
肉体をぶつけ合う相手選手を尊ぶ。
ルールを守り正々堂々と戦う。

喧嘩は、暴力。
暴力を売ってはならない。
が、売られれば買え。
守るために使う暴力は、正義となる。
買う時は、相手が先に手を出した時。
その時は、タックルで吹っ飛ばせ。
その一発で結局けりが付く。

しかし、相手が刃物を持った時は逃げろ。
命のやり取りになる。
そう教えられた。


2020年3月6日金曜日

ももたんと春のキラキラ

見~っけ~!


私はももたん
おかあたんも、おとうたんも、バーバ、ジージも
ももたんのことを「ももたん」と呼びます。
ジィージが影を見てごらんと言います。
「小さくなっているです。」
ももたんは足元から伸びている自分の影が短くなっていることに気が付きました。
「お日様の光が沢山当たるようになってきたんだぞ。」

家の前の道路にアスファルトが顔を出し始めました。
そして庭に積もった雪にあのシャランを見つけました。
太陽の熱で溶けだした雪が、
小さなつららとなりそれが鎖のように幾重にも繋がります。
首飾りの細工のようです。
キラキラ輝いています。
そ~おっと手に取ろうとするのですがもろくも崩れてしまいます。
崩れるときに微かな金属音がします。
ももたんには、”シャラン”と聞こえます。


スプリングエフェメラルの一つ紫延齢草












2020年3月3日火曜日

異常事態宣言 桜隠し

異様な光景がそこにあった。
一昨日3月1日日曜日、午前中スーパーヘ買い物。

店内の客にマスク着用者が多い。 レジに並ぶ。
前に5人、自分を挟んで後ろ3人。
9人中マスクをしていないのは、自分のみ。
他8名全員がマスク着用。

この勢いならマスクの在庫は、直ぐに底をつく。
日本の中で一番患者数の多いのが北海道。
とは言え三桁、百人にも達していない。
過剰反応に思える。

マスクを求めて薬局やドラッグストアの開店前列をなす。
入荷を期待してのこと。
無いとなると店員に
「あんたたちだけかい!」と悪態を付くのだそうな。


photo ACより










マスクの感染予防効果は、薄いと聞く。
WHOでは、
マスクなしが、感染拡大の可能性を上げているわけではない。
マスク信仰に警鐘を鳴らす。
インフルエンザでもマスクの感染予防は薄いと言っていた。

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