ツアーのトレインに乗りたい。
師匠の恒例行事「端っこツアー稚内」がある。
単日300km 超えのロングツァー。
AV30km/hで走る。
71歳になる今年7月27日、願って7年目、自分の希望した場所に辿り着く。
届いてみると、不思議に思う。
こんなに簡単なこと?
なぜこれほど時間がかかったのか?
ロードバイクの始まりは、2013年。
2011年、ビジネスリタイヤした。
健康維持目的で始めたMBXが故障。
部品取り寄せ不能で2013年ロードバイクに乗り換え。
63歳、チンタラ走りのサイクリスト誕生。
その折に師匠北野さんに「長いのやりたくなりますよ~。」
と言われていた。
少しずつロードバイクに慣れてくる。
一台目のロードバイクJamis1号52サイズが盗難に会い。
2014年、Jamis Ventura54サイズが愛車に代わる。
大きなサイズにした訳は、上半身が楽であること。
いずれもアルミフレーム。
丈夫さを選ぶ。
いずれ自転車旅行をしてみようという思いをもっていた。
走る体のできていない自分には、52サイズのJamis1号が窮屈でもあった。
ロードバイクに跨ることはできる。
ママチャリ乗りの延長しか出来ない。
走るための脚はおろか体幹が出来ていない。
それでも長い距離が乗れるようになってきた。
「日本一周ってやつ、やりたいなぁ。」思いが強くなる。
そのための前段で2015年北海道一周を試みる。
3200Km超を17日で走り切った。
休息日なし、一日平均188km也。
ジジィでも連日こんなに長い距離を走られるんだ。
ロードバイクの魅力、長距離移動を65歳で堪能した。
自身の体力にも自信が出来た。
そして師匠の稚内ツアーのお誘い。
スタートしてすぐにトレインから脱落。
そのまま落ちたくない。
頼み込んで続行。
休憩を入れずに先行しては追いつかれ、
本隊の休憩を盗んでは先行、を繰り返し。
ほぼ単独で300Km制覇。
AVは、25km/hだったと記憶する。
荷物がない。
燃料:食料さえ入れてやれば走るだけならどこまでも行ける。
それはそれで満足感は、あったのだが。
やっぱり快速列車に乗りたい。
で、2016年からお見送りを兼ねて50kmの月形まで金魚の糞作戦。
5年連続乗車拒否状態が続いた。
AV30Km/hマイナス25km/h:5km/h。
たったAV5km/hが縮められない。
速く走るための試行錯誤を繰り返す。
今年やっと千切れることなくトレインに参加することが出来た。
無論ローティションの中で。
で成ってみるとなんと簡単なことか?
と思ってしまう。
ロードバイクは、軽さが重要
と勘違いしていた。
カーボンなら軽いだろう。
今冬シーズン前にPinanello Ganを購入。
ところがJamis2号と600gほどしか違わない。
こりぁ間違ったべか。
雪が溶けてさて4月。
最初に乗った感想は、小さい、固い。
Pinarello Ganは、50サイズ。
Jamis2号の54サイズと比べれば小さくて当たり前。
乗ると自分の体の中にすっぽりと納まってしまう。
眼下に前輪の先しか見えない。
納まってしまう分だけ心細い。
乗っている感がない。
安定感もない。
マシン全体が塊に感じた。
ところが、ダッシュすると小気味よく反応する。
Jamis2号に乗ってみると車体がくねる。
新旧の差が判る。
アルミとカーボンの違いもあろう。
が、サイズの差だと思う。
前輪~後輪軸間
Jamis2号 980mm
Pinarello 960mm
サドル取り付け中心~ハンドル
Jamis2号 550mm
Pinarello 510mm
ハンドル取り付け中心~地面
Jamis2号 900mm
Pinarello 850mm
くねる分だけダッシュが遅れる。
レンスポンスがいいだけではない。
小さいサイズは、ハムストリングスへの効きが格段に高くなった。
ハムと大殿筋への負荷が大きい。
走りに一番ほしい筋力が上がった。
結局これが幸いしたことになる。
いままで一番足りなかったダッシュ力もついてきた。
そして深いクラウチィング。
新車は、エアロバイクなのだそうな。
小さいサイズとエアロの効果で
5m/S前後の向かい風でも30km/hを出せるようになっていた。
風圧に対するエアロフォームを保つ体幹も出来ていた。
風に逆らって走る場合、スピードを落とすとなお辛い。
ある程度の速度を保つほうが楽であることも知る。
大きなサイズは、安定感。
小さなサイズは、スピード。
よく言われているこの解説は、俺にも当てはまったことになる。
日本一周を意識したあの時は、大きなサイズ。
速く走る目標を叶えた今年は、小さいサイズサイズ。
目的に合わせてサイズや仕様を変えなければいけない。
ちなみに我が身体のサイズは、
身長168.5cm
体重58kg
日本一周は、出来たし。
師匠の端っこツアーのトレインにも乗れた。
どちらも達成できたのだから万万歳。
と自慢げなジジィなのだが。
ふと我に返る。
なんてことはない。
俺がここまでできたのは、自身の能力が優れていたわけではない。
ロードバイクがそうさせてくれる。
人力で速く、長く走ることを目的に開発され進化してきたバイク。
70歳を過ぎたジジィでさえそこそこ走ることのできるバイク。
なんと素敵なアイテムに出逢えたことだろう。
そんなロードバイクの魅力を教えてくれた北野さんにも感謝。
事故、怪我に十二分に注意を払いつつ、
今日も走るべか。
ジジィの熱い夏は、まだまだ終わらない。