「はい、監督は白石のリリーフを見たいのだろうと思いました。」
監督は、軽くうなずきながら「それで」と次を促す。
「2打席で右打者でも通用するだろうと思いました。
では、勝負させたらどうなるのだろうかと。
単純な興味です。」
あれ?
この監督は、選手を叱らない?
淡々と話を聞いている。
推薦の面接の時に言っていた
「選手の自主性を大切にしたい」って。
本当のようだ。
「白石、何で駒沢の初球にチェンジアップを投げた?」
「はい、7~8分の真っすぐをより速く見せるためです。」
「では、最後のワインドアップは、なぜだ?」
ありのままを話そう。
「三振を狙いました。」
駒沢先輩が僕を睨む。
でも表情は、柔和だ。
「駒沢、ホームランの球はどんなだ?」
「はい、それまでの球に比べて素直な球筋でした。」
監督は、一通り聞き終えてから
「白石のキャッチボールを見て伸びのあるいいボールだった。
リリーフ場面で見たくなった。
だからそのままの7~8分の指示をした。」
「それが右バッターに対してどうか?も見たかった。
盛岡の言う通りだ。」
「まだ本調子ではないが4番をぶつけてみた。」
「白石は、シーズンが始まったばかりなのにいいピッチングをした。」
「初球のチェンジアップで後の真っすぐを早く見せる、もいい。」
「盛岡も白石とは、初めてなのにあれをよく後逸しなかった。」
「はい」と小さく応える盛岡先輩。
「三打席目の勝負は、俺も見たくなっていた。
多分白石も駒沢もそうだろう。」
二人は応えた「はい」
「盛岡なら間違っても試合であのサインは、出さないだろう。」
「はい」と盛岡先輩。
「最後の投球は、白石の力みだ。
力みは、禁物だ。
今一度胸に刻んでおけ。
そして実際のクローザー場面では、強い緊張が生まれる。
全国大会や国際大会を経験しているとはいえ高校野球は、もっと緊張が高まる。
今日の投球を見る限り白石は、肝が太そうだ。
君ならこなせるだろう。
だが、緊張から生まれる力みをどうしたら解消していけるか、を見つけるように。」
力みは、禁物だ。
今一度胸に刻んでおけ。
そして実際のクローザー場面では、強い緊張が生まれる。
全国大会や国際大会を経験しているとはいえ高校野球は、もっと緊張が高まる。
今日の投球を見る限り白石は、肝が太そうだ。
君ならこなせるだろう。
だが、緊張から生まれる力みをどうしたら解消していけるか、を見つけるように。」
「はい」
「駒沢は、逃さずにそこをよく打った。
課題の体重移動が小さくなってる。
バットの押し出しも最短で捉えていけるようになっている。
これなら変化球にもついていけるようになるだろう。
更に上げてくれ。」
「駒沢は、逃さずにそこをよく打った。
課題の体重移動が小さくなってる。
バットの押し出しも最短で捉えていけるようになっている。
これなら変化球にもついていけるようになるだろう。
更に上げてくれ。」
「はい」
「盛岡は、さらにキャッチング精度を上げるように。」
「はい」
「解散」
「ありがとうございます。」
「盛岡は、さらにキャッチング精度を上げるように。」
「はい」
「解散」
「ありがとうございます。」