期待は虚しく雨と風の残る午前中は、大人しく読書で時間を潰す。
昼少し前から陽が射してきた。
午後は、ひとっ走りと決め昼の饂飩をすすり終え
夕飯の買い物を早めに済ますためスーパーへ向かう。
まだ強い風が残っている。
店の少し手前で向こうから二人の若い衆が同じく玄関を目指していた。
その時、突風が一陣した。
風は、若い衆一人のマスクを引っ剥がす。
マスクは、ジジィの頭上をひらりと飛蝶した。
刹那、俺はジャンプしていた。
左手を伸ばしキャッチしょうとした。
その瞬間にもうひとひらりマスクが舞う。
無常にも俺の左手は、届かなかった。
あれを取っていれば格好良かったんだがなぁ。
しかし、当該の若い衆は、俺にありがとうございます、
と一言礼を残してくれた。
気分良し!
4月も終わりに近づいたある日のこと。